桜と日本人
桜の蕾が日に日に大きくなっています。
もうすぐ桜が咲きますね。咲いてるところもありますね。
日本人にとって桜は五感を通じて心に響いてくる、最も象徴的な花、木なのではないでしょうか。
そこで今回は、桜が訴える五感への影響を独自の観点で書き記したいと思います。
①視覚
ピンク色のピンクという語意はなでしこの花からきているそうですが、ピンク色を日本語で呼ぶとき、桃色となります。しかし桜を桃色と呼ぶのも、文字に起こすとややこしい感じなので、ここでは桜色と呼ぶことにします^^
桜の花は色彩効果として、穏やかで優しく幸福感を感じさせるような心理効果があります。
春に穏やかな気持ちになりがちなのは、桜の花が影響してるのではないでしょうか。
ハラハラと舞い散る桜の花びらもまた穏やかな気持ちになります。
新海誠監督の作品で『秒速五センチメートル』というアニメーション映画があります。映像の美しさに目を奪われてしまう素晴らしい映画です。おすすめです。
この映画で「桜の花びらが散る速度は、秒速五センチメートル」というセリフがあります。1秒間に五センチメートル動く速度。
実際は桜の花の散る速度は秒速1.4メートルくらいらしいです。
センチメートルではなくメートルです。
新海誠監督はそれを承知でこのタイトルをつけられたそうです。ナイスセンスだと思います(´∀`)
秒速1.4メートルというタイトルより秒速五センチメートルのほうがしっくりきますもんね( ´ ▽ ` )
いずれにせよハラハラとゆるやかに舞い散る桜を見ていると、穏やかで優しい気持ちになります。
②嗅覚
もっとも身近にある桜の木といえばソメイヨシノかと思われますが、ソメイヨシノの花はそれほど香りを感じません。桜の香りとして思い浮かべるのは桜餅の葉っぱの香りではないでしょうか。あれはクマリンという成分だそうで、リラックス効果などがあるとされています。
また、燻製料理で使用されるウッドチップにも香りの良いサクラは定番中の定番でどんな食材にも合いますが、特にお肉類の燻製に相性がよいです。
こちらのチップの原料は主にヤマザクラが使われています。
③聴覚
桜を題材にした楽曲は世界中見渡しても日本が圧倒的に多いのではないでしょうか。数え上げたらキリがないくらいだと思います。
桜と聞いて思い浮かべる曲はどんな曲でしょうか?
十人十色だと思いますが、全く思い浮かばない人はあまりいないのではないでしょうか。桜はそれくらいポピュラーなテーマなんだと思います。
春の短い期間に咲いて散っていく桜の曲は、人々の印象に残りやすいんでしょうね。ちなみに筆者はエレファントカシマシの桜の花、舞い上がる道を という曲が好きです^^
④味覚
嗅覚のところでも触れましたが、桜自体が食材としても使われているのですが、名称として使われることが少なくない花は桜なのではないでしょうか。
おめでたい魚として有名な真鯛は、春先には桜鯛と呼ばれたりしますし、理由は諸説ありますが馬肉のことを桜と呼んだり、他にもサクラマスや、桜えび、さくらんぼなど諸々あります。桜の知名度がいかに高いかが、わかるような気がします。⑤触覚
材木としての桜は、硬めの材質です。木材は硬い物や重い物は、比較的うねったり反ったりしがちなのですが、桜材はその割には素直で狂いが少ないほうです。加工もしやすく、見た目もうっすら桜色で磨くと光沢が出て、触り心地も良いです。材の保存性も高いほうです。⑥まとめ
このように桜はひとりひとりがなんらかのエピソードやストーリーを持つ、日本人にとって五感に訴える、象徴的な樹木なのではないでしょうか。まるでDNAに組み込まれているかのように。
日本人には桜の花のようにパッと咲いて、パッと散る潔さに美学や人生観を重ねることがある反面、しぶとさという美学もあるという内容の某缶コーヒーのCMが、昔ありました。
馴染み深いソメイヨシノは、幕末から明治初期に東京の駒込村染井(現在の文京区駒込)の植木屋が人工交配で生み出した品種です。そのため数十年の寿命しかないとされています。
しかし野生種であるエドヒガンや、ヤマザクラは樹齢千年を超える樹木もあり、しぶとくたくましく生きています。儚さとしぶとさを兼ね備える桜種には、これからも我々日本人の五感を通じて心の琴線に触れることなのでしょうね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。