木工作

おはしのおはなし

先日、若い人とお茶することがありました。
お茶菓子にスナック菓子があったのですが、それを若い子達はお箸で食べていました
器用だなあと感心しながら、「どうしてお箸で食べるの?」と聞くと、今の若い子はスマートフォンをスルスル操作しなくてはいけないからスナック菓子で手を汚したくないんだそうです。それで箸を使うとのこと。お菓子を箸で食べるのはマナー違反だと聞いたこともないですし、個人的には良いんじゃないかと思いました。手が汚れないのは実にいいです^ ^
お箸の国の人で良かったなぁって感じです。
だって箸を使わないんです文化圏の国のスマートフォン世代は箸を使えるようになることから始めなきゃいけないですもんね^ ^

m-kinoは地域の木工教室などに参加させていただくことも少なくはなく、今回はお箸のハナシ、そして木工教室などでのお箸作りのハナシを書いてみたいと思います。

①お箸の国 日本
世界の人口の30%はフォーク、スプーンで。30%はお箸、そして残りの40%は手で食べる食文化だそうです。もちろん今の時代はクロスオーバー文化ですからアメリカにも日本レストランがあり箸を使うこともあるでしょうし、日本にもフランス料理店でフォークやスプーンで食事をします。
ですが、その国独自の食文化ということになれば上のような割合なのだそうです。
更に箸だけを使う独自の食文化は日本だけなのだそうです。お箸を使う他の国は、匙(さじ)などを併用して食事をします。
お椀の汁物を食べる際、お椀に口をつけるのは箸だけ文化の日本くらいなのだそうです。
また、日本のお箸は食べるための道具というだけではありません。箸は、食を通して神様と人間をつなぐという独特の文化性や精神性を育んできたのです。ハレの日やケの日の箸の使い分けや、お食い初め、火葬の骨上げの儀式で使う渡し箸などはまさにそういった文化性、精神性からの流れなのだそうです。
ところで、お弁当などを食べる時に割り箸を使ったりしますよね。食べ終わったあとに割り箸をどうされますか。ポキっと半分に折って処分する人がいるかと思います。あれにはちゃんと意味があって、
先に述べた日本独自の文化性、精神性から昔は、一度使った箸には使った人の魂が宿ると考えられていたのだそうです。そのまま捨ててしまうと、自分の魂の宿った箸を獣にもて遊ばれて災いを呼び込んでしまうかもしれないからと、必ず折って捨てたそうです。
ですから今でも割り箸などを折って処分する人は、そういう習慣を知らず知らずに代々受け継いだ家系の方が多いのではないかと思います。

②お箸作り

m-kinoがお手伝いさせていただいている子ども木工教室で行っているお箸のい作り方です。 この道具で作ります。 レールのようになっています。上の画像の青で囲った溝にあらかじめ加工しておいたお箸の材料をセットします。あらかじめ材料を加工しておかないと、木工教室の時間内に終わらないかもしれないものでちょっとズルしてます^^ 画像上の緑で囲った止め木のところに材料を当てます。セットした材料の上にカンナをセットします。それから、このようにして削って行きます。材料をセットした溝は傾斜がついており、カンナで削れば自然と先にいくほど細くなりお箸の形になっていくという、そんな段取りとなっておるわけなんです。
ちなみにカンナという道具は、重くて堅い、樫(カシ)の木で作られています。カンナに使う木は曲がったり縮んだりしては困ります。またその重さがカンナを真っ直ぐにかけるときに役立つのです。シャーッ、シャーッ。削って、削って、削ります。安全な作りになってはいますが、刃物を使う時は慎重に。だいぶ、いい感じになってきました。画像奥の材料が削りまくる前の物です。削って、削って、削りまくった物はだいぶお箸らしくなってきました。そしたら今度は紙やすりを当てます。木工教室では、この段階で飽きてきちゃったキッズには、なんとか興味を持って作業してもらおうと必死でおもしろトークを繰り広げようとしますが、大抵のキッズは火に油を注ぐかのように益々興味を失いそうになるので注意が必要です^^そうこうしているうちに完成しました。さりげなくm-kinoのプレートの上に置いてみます^^木工教室では塗装をかけるところまでは実施しませんが、塗装する場合は口に入れる物なので安全な塗料を使います。蜜蝋などがよいでしょう。お近くのホームセンター、または通販などでお買い求めできます。

ところで日本にはハレの日とケの日という文化があります。ハレ(晴れ、霽れ)は儀礼や祭、年中行事などの「非日常」、(褻)は普段の生活である「日常」を表しています。ハレの日の食事は塗装しない白木のお箸を使います。お正月のおせち料理などは、現代でも白木のお箸を使われるご家庭がたくさんあるのではないでしょうか。画像左からカンナで削る前、カンナで削った後、紙やすりをかけて出来上がったお箸です。

木工教室は町の催しやイベント、ワークショップなど全国いたるところで催 されていると思います。ぜひ一度体験してみてください。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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