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もしも望まれるなら叶えたい 副葬品

生まれたからには、誰かに必要とされたい。
証(あかし)を残したい。
これは人間の、いえ、生きる物すべての本能的な欲求なのではないでしょうか。
というようなことをいうと、なにやら大袈裟な話になってしまいますが、例えばm-kinoも会社である以上利益を追求する必要はありますが、それと同じくらい重要な要素に、お客様に必要とされて満足いただきたいと望む気持ちは、至極当たり前の感情なのかなぁと思います。そんな気持ちを抱きながら日々、生活を送っているわけですが随分と昔に御年輩のある方とお話しをする機会がありました。
その方はゴルフが大好きな方で、何故ゴルフは楽しいのかという話をこれまた楽しそうにお話しいただきました。そして、自分が逝ってしまったら棺桶の中に副葬品としてゴルフクラブを一緒に納めて欲しいなぁと笑いながら話されました。皆さまもご存知だと思いますが、燃えない物は納棺してはいけません。それを知った上でその御年輩の方は冗談として話されたわけですが、さて月日が流れその方はお亡くなりになられました。大変お世話になった人でした。悲しい気持ちのさなか、このゴルフクラブの話を思い出しました。すべて木材で作れば、棺の中に入れても大丈夫なのではないか。考えると同時に大急ぎで制作しました。そして果たして木製のゴルフクラブを納棺することが出来ました。
もしかしたら自己満足だったことかもしれませんが、喜んでくれたと信じています。私どもがその方を必要としたように、その方も私どもを必要としてくれたんだと思いたいです。

その木製ゴルフクラブはこんな風につくりました。

まずはこの角材を加工してゴルフクラブのヘッド部分を作ります。

この機械で作ります。赤い丸で囲んだのが先程の角材です。 このように角材を加工します。そしてヤスリで形を整えていきます。 大きなサンドペーパーの機械です。
慎重に作業します。 こんな感じ。 先程の機械より小さめのより細かい作業が出来る機械を使います。 こんな感じです。次はシャフトとグリップの部分です。 棒材を使います。本来、旋盤機を使うのですが、今回はカンナで削ります。以前書いたブログ『おはしのはなし』で使った道具の大きいバージョンの道具を使います。この道具は手作りです。『おはしのはなし』はこちらをクリック→おはしのはなし
赤で囲んだのが棒材です。シャフトとグリップの太さを変える為に削ります。
更に時間の都合上時短モード発動。インパクトドライバーを利用してペーパーをあてます。(本来はインパクトドライバーはこんな使い方をしないので、よいこは真似をしないでください^^)ヘッドにドリルで穴を開けて、シャフトを木工用ボンドで接着します。パテで接着部位を固めます。 ペーパーをあてて微調整しますグリップ部に和紙を巻いて簡単な装飾を。
完成です。 もっと細かいディティールを表現することも出来ますが、あまり作り込むのも使用目的を考える、ちょっと違う気がしてこのような作りに。

葬儀というものはそれぞれにそれぞれの哀しみがつきまとうものかと思います。
それ故にあまり大々的にお知らせするのは如何なものかと思いますが、もしも私たちに出来ることがございましたら遠慮なくお問い合わせください。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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