桐の話
先日は皇室献上品用の木箱の製作をご依頼いただきました。色々なお仕事をいただいて日々感謝です。こちらの2枚の桐(きり)の板材から4ケの桐箱を作成します。厚みは約3㎝ほどそれを工作機で薄く切り出します。パーツに切り分けました。箱の部分と蓋の部分を組み立てます。しっかりとパーツ同士を圧着させます。今回はゴムを使って圧着しています。出来上がりました。無事に納品させていただきました。
ところで桐という木材はどのようなものでしょうか?
桐の特徴は、
①軽い
日本国内でとれる木材としては最軽量だといわれています。
②湿気を通しにくい
桐を形いた成している組織の特性です。
③割れや狂いが少ない
軽いのに丈夫で素直です。また木目も美しいです。
④発火しにくい
他の木材に比べて燃えにくいです。発火点で400°以上です。※発火点とは炎となって燃え出す温度。火がつく温度を着火点といいます。桐の着火点は270°くらいといわれています。
⑤防腐、防虫効果が高い
桐を形成している組織の特性です。
このような特徴があることから、今回m-kinoがご依頼いただいた箱や、家具。特に桐箪笥(タンス)は高級家具の代名詞のようになっています。昔は女の子が生まれたら桐の木を植えてお嫁に行く際にその桐でタンスを作り嫁入り道具に持たせたそうです。桐は成長が早いという特徴もありそのような事が可能だったようです。他には下駄や金庫の内側の素材に使われたりします。昔は米びつなんかもそうですね。皇室においては菊紋に続き高貴な紋章として桐が使われています。内閣総理大臣の紋章も桐です。そんなこんなで、今回は桐の木材について書いてみました。
最後まで読んいただきありがとうございました。